何を隠そう僕のギター歴は20年を超える。Fコードと格闘した日々など遠い記憶の彼方だ。そこそこ上手くなっててもいいお年頃だが、成長曲線は高校生で止まり、すっかり並行直線になっている。結果、その辺の高校生と変わらないレベルか、毛が生えた程度の腕前だ。いや、今、見栄を張ってサラっと嘘をついてしまったが、30を過ぎてから毛は抜ける一方だ。
よく、ギターが上手くならないのは手が小さいからだと言い訳をする奴がいる。確かに物理的には大きい方が有利かも知れないが、そんな甘ったれた考えはおととい来やがれである。
いいか、よく聞け。ギターはな、手で弾くんじゃない、顔で弾くんだ。ジミヘンよろしく歯で弾けと言ってる訳ではない。チョーキングでキュイーンとやる時は、左の頬もキュイーンと持ち上げて、ちょっと眩しそうに目を細めろ。口を半開きにしながらできたら一人前だ。さらに大切なのがまゆ毛だ。音の上下に合わせてまゆ毛を動かせ。音を聴かずとも、まゆ毛の動きを見ればその人の腕前が分かるというもの。これを毎日鏡の前で練習すれば手が小さくたって嫌でもギターは上手くなる。
前置きだか何だか分からない話が長くなってしまったが、Julian Lageがいい感じである。5歳から弾き始めたというギターは、柔らかい音から高ぶった感情まで、もう自由自在。ジャズはもちろんのこと、アコギを弾かせても唸ってしまう。Chris Eldridgeとのデュオがまたいい。
この人、すっとぼけたジュード・ロウみたいなChris Thile率いる話題のブルーグラスバンドPunch Brothersのギターの人。
どちらもすごい。後半まゆ毛で弾いてる感あるでしょ。
あーギター欲しい。テレキャスもいいけどフルアコかなー。
でも手が小さいから上手く弾けないんだよな。
『ARCLIGHT』 2016
『AVALON』 2014 – Julian Lage & Chris Eldridge