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KANDACE SPRINGS

全体的にゆったりとした聴きやすいアルバム『Soul Eyes』。Blue Note Recordsからのリリースだけど、JazzというよりはSoul/Popと思って聴いた方がしっくり来る。Universal Music Japanによると、ノラ・ジョーンズ直系ともいえる…と紹介されていたが、確かにそんな感じもある。本人も憧れがあったみたいだし、あの”Don’t Know Why”を書いたジェシー・ハリスがこのアルバムでも数曲書いている。

 

いい意味でポップで日本でも既に人気があるみたいだが、例の、英語をカタカナ表記にしてしまう問題が今回も炸裂している。これは日本のレコード会社のせいだと思うが、はっきり言って余計だ。よし、レッツ検証。

 

オリジナル(英語)
1. Talk To Me
2. Soul Eyes feat. Terence Blanchard
3. Place To Hide
4. Thought It Would Be Easier
5. Novocaine Heart
6. Neither Old Nor Young
7. Too Good To Last feat. Terence Blanchard
8. Fall Guy
9. The World Is A Ghetto

 

カタカナ(日本語)
1. トーク・トゥ・ミー
2. ソウル・アイズ(feat. テレンス・ブランチャード)
3. プレイス・トゥ・ハイド
4. ソート・イット・ウッド・ビー・イージアー
5. ノヴォケイン・ハート
6. ニーザー・オールド・ノア・ヤング
7. トゥー・グッド・トゥ・ラスト(feat. テレンス・ブランチャード)
8. フォール・ガイ
9. 世界はゲットーだ!

 

素晴らしく読みづらいし、全然意味が入って来ない。確かに我々ジャパニーズ・ピープルはいつまで経っても英語ができない。しかし、これでは何だか馬鹿にされている感じさえするじゃないか。そしてなぜfeat.はそのまま残すのか。英語は英語のままにしておいてくれればそれでいいんです。余計なことはしなくていいんです。
更に、お気づきだろうか。”The World Is A Ghetto”に至っては「世界はゲットーだ!」と訳されてしまっている。なぜだ。!マークはどこから来た。全くもって理解できない。これこそDon’t know whyである。 はっ!

 

ノラ・ジョーンズ直系とはそういうことだったのか。やるなー、ユニバーサル・ミュージック・ジャパン。よし、輸入版買お。

 

SOUL EYES - KANDACE SPRINGS

SOUL EYES

TAKUYA KURODA

ニューヨークを拠点に活動する侍トランぺッター。

 

正直なところ、楽器としてのトランペットの音の善し悪しはよく分からない。たぶんマイルスを聴いても今はまだ理解できない気がする。でもこのアルバムのソウルフルな感じとか、ちょっと乾いた感じとかはけっこう好きで、そういう意味ではコンポーザーとして気に入っているのかも知れない。

 

今までトランペットという楽器に全く縁が無かったかと言うと、そうでもない。3つ上の兄は学生時代にトランペットを吹いていた。吹いている姿を見た記憶があまりないため、その実力は未知数だが、それほどハマっていた感じもなかった。そもそも管楽器の練習は日本の住環境には少々ハードルが高い。そこをぶっちぎる情熱とか、恵まれた環境とかがないとなかなかモノにならない。親の勧めと若干の興味を持って始めたものの、兄にとって女子だらけの吹奏楽部は窮屈だったのかも知れない。

一般的に10代の多感な時期になると、音楽は女子がやるものという流行病が男子を襲い、楽器から遠ざける波がやって来る。何だか恥ずかしいのだ。スポーツができる方がかっこいいし、モテる。日増しに音楽への興味を失うその頃、バンドというものが登場する。ズキューン。か、かっこいい。これだ。これならかっこよく音楽を続けられる!やがて亜種として進化を遂げた流行病は、本気でミュージシャンを目指すという夢を餌にブクブクと肥え、20代も終盤に差し掛かった頃、どうしようもない現実を突きつける。ーそろそろ就職するかぁー 大概はここで気付くものだが、一部こじらせてしまう人たちもいる。自分もそこに片足を突っ込んでいるようなものだ。しかし、30代のおじさん達よ、ネバーマインド。幸いなことに音楽に年齢制限はない。

だいぶ話が逸れたが、家にはトランペットがあった。そして今も実家にある。縁があるのかは定かではないが、手を伸ばせば届くところにある。

 

ムービーでも語っているが、彼はビッグバンドからジャズの世界に入ったらしい。理想的なスタートだ。きっと、いろんな障壁をぶっちぎる情熱とか、いい環境があったんだろう。そして本場ニューヨークへ。2014年にはUSブルーノートからのリリースも経て、この9月にはセフルプロデュースのアルバムが出るらしい。益々これからが楽しみだ。

 

彼に限らずいろんなジャンルで、いろんな場所で真剣に勝負してる人の姿はかっこいい。自分もここで駄文を書いている場合ではない。侍たちを見習わねば。
 
よし!兄ちゃん、一緒にポケモンGOやろ。

 

RISING SON - TAKUYA KURODA

RISING SON

Metropole

とてもイイ感じ。

Dani & Debora Gurgel Quartetoのドラム:チアゴ・ハベーロがやってるバンドらしい。ベースも参加してる。

 

早速Apple Musicで検索してみたら無かった。Youtubeの再生回数もまだ3000回ほどだし、まぁ仕方ないと思ってたら、「Apple Music US版にはありますよ。US版に変更しますか?」というダイアログ画面が登場。おっ!あるじゃん。何だよ出し惜しみしやがって。ぐらいに思ってあまり深く考えずOKボタンを押した瞬間、指先から何か嫌な予感がした。

 

Apple Musicを使い始めて数ヶ月、いまだ国境を超えたことはなかった。というか、US版とか国境があることを知らなかった。井の中の蛙だ。考えてみると、日本国内でしか流通しない音楽はあまり聴いていないし、アルファベット表記のアーティスト名がカタカナ表記になることも腹立たしかった。ならばUS版を使った方がいいんじゃないか。まだ親切に見えるダイアログ画面のOKボタンを押しながら、そんなことを考えていた。(この間0.5秒)

 

US版に切り替えるにあたって、再度appleIDなどを入力してと言われたが、メンドクサさもあって結局ギリギリのところで思いとどまった。画面を戻し、使い慣れたMy Musicに戻ると何だか様子がおかしい。ここ数ヶ月の間に掘り漁った曲たちがキレイさっぱりライブラリから消えている。公開することにしたプレイリストもタイトルだけを残して中身はほぼ全て空になっている。嫌な予感がメガヒット。人間、心の準備ができていない突然のことに対しては状況を把握するまでに時間がかかるし、まずは否定から入るもの。嘘だ、何かの間違いだ。しかし、画面を移動する度に、ライブラリから消えてしまったという仮説は逃れられない現実となった。

 

インターネット万歳のこのご時世、困ったときは日頃からお世話になっているGoogle先生に相談だ。正直、仕事などしている場合ではない。無駄にファイルを立ち上げ、デスクトップを散らかし、さも仕事してます感を出したら準備完了。
 
D9:「Google先生、My Musicのライブラリから曲が消えたんです。」
G:「国境越えを行うと国籍変更と見なされ、以前の国籍で取得した曲は無効になる、とAppleは言っている。」
D9:「いや、待って。確かに試みたけど、ギリギリのところで思いとどまったから国籍変更はまだ完了していないでしょ。Apple Musicの曲のみならず、昔itunesで購入した曲までも消えてるじゃないですか。この難民のような状況にどうか救いの手を。」
G:「日本国籍はまだ残っている、macのitunesから復元できる、と多くの民は言っている。」
D9:「そ、それが母艦macは容量が足りず、ここ1年ろくにバックアップをとっていないのです。」
G:「…無念だ。」

 

結局、iCloudミュージックライブラリを一度OFFにして、itunesで1年前ぐらい前に戻り、再びiCloudミュージックライブラリをONにしたら、ほぼ復活した。
最後の行程で「結合する」か、「置き換える」か、というよく内容の分からない選択を迫られたが、「置き換える」で正解だったようだ。映画とかの、爆発まであと2秒、どっちの線切る!?みたいな感じ。実際、ダイアログ画面は青い文字と赤い文字で表示されていた。ドキドキさせんなよ。

 

今回の不祥事案件、安易に国境を跨ごうとしたこと、バックアップを怠ったことに於いて、自分に非があることは認める。でも、あの一見親切そうなダイアログ画面の先にあるダークサイドを、もう少し親切にアナウンスしてくれてもいいんじゃないすか、Appleさん。こんなところで吠えていても届かないことは承知で吐き出してしまった。定額配信という利便性が孕む、大切なものの所在の無さを痛感させられた出来事だった。やっぱり気に入ったのはCDかレコードで持っとこ。

Kris Bowers

HACKっすね。お見事!

 

ネクストRobert Glasperとも言われているらしいKris Bowers。経歴を読んだらなかなかのエリート感。その始まりは、まだ彼が生まれる前にさかのぼり、母親がヘッドホンをお腹に当てて優しいジャズを聴かせていたんだとか。

 

おっと、それなら我が息子にもやったことがあるぞ。

ただ、少々ボリュームが大きかったようで、えらくビクっとさせてしまい一度きりで終了。しかも優しいジャズではなかったはず。
そんな我が息子の輝かしい経歴は、3歳でヤマハ音楽教室に通い始め、4歳で早くも周りについて行けなくなり、ストレスフルな日々に堪えられず退会。以後これといった音楽活動なし。

いいんだ、音を楽しむと書いて音楽だぜ。イヤイヤやってもしょうがない。

 

貼付けたムービーはKendrick Lamarの”Rigamortis”という曲のカバーで、ご覧のとおりアイデアがすごい。『Heros + Misfits』というアルバムも所謂ジャズっていう枠ではなくて、でもジャズしてていい感じっす。

 

HEROES + MISFITS - KRIS BOWERS

Heroes + Misfits